月次の為替レートに見られるアノマリ

ドル円のアノマリとしては1月効果12月のドル高が有名であるが、それをさらに詳しく調べてみよう。ドル高になる可能性が高いのは意外にも1月と11月である。月次の利回りの表を見てほしい。また、ドル安に成りやすい月は2月である。2月がリパトリのピークであることからもこの事実には納得がいく。2月から10月まではドル安になりやすく、それ以外はドル高になりやすい。また、月次の値動きが激しいのは3月、10月、11月である。月次の平均で見ると12月はマイナスである。

12月のドル高を考える場合注意しなければならないことがある。それは収益率の分布である。確かに12月中に収益率が上昇する確率は高いが、上昇した場合の平均収益率は1.6%、下落した場合の平均収益率は-3.7%である。まさしく作られたアノマリである。一方、1月に目を向けてみると上昇時の平均収益率は2.8%、下落時の平均収益率は−1.7%である。1月効果とは米国の株式と同様に1月にドルが対円で上昇することも意味していると言える。