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ダイナミック戦略入門

〜非効率的市場におけるオプションペイオフの複製〜


講師 森谷博之氏 オックスフォードファイナンシャルエデュケーション

代表取締役社長

日時 平成14年10月2日(水)午後2時〜午後5時

オプションモデルを用いたダイナミック戦略は元本確保、損失限定の戦略として知られている。H.リーランドにより考え出されたポートフォリオインシュランス(PI)は株式運用の元本確保型戦略の原点であるが、その後為替リスクのヘッジにも積極的に用いられるようになった。資産の値動きに応じて頻繁にヘッジ比率の変更を行うダイナミック戦略は長期的には理論上無リスク資産から得られる収益と同等のものが得られるため、CAPM等を用いた戦略同様パッシブ戦略に分類される。PIはブラック−ショールズ(BS)のオプション理論をベースとするため、オプション複製モデルそのものには実際の市場には合致しない仮定が含まれている。そのため、BSモデルを用いたPIでは理論値と実際の複製費用との間に違いが生じる。その違いを複製エラー(Replication Error)と呼ぶが、この複製エラーは実際の市場とモデルが想定する市場との間に大きな差があると大きくなる。このような問題を解決するために厳しいモデルの前提条件を緩和したモデルが開発されてきた。ただし、どのように前提条件を緩和したとしても大きな問題解決とはならない。複製エラーを生じさせる要素とその影響の度合いを分析し、解決策を考察する。PIはパッシブ戦略に属し原則としてオプション複製に必要な要素の将来の予測を排除する。将来の予測は新たなリスクとなるからである。この原則をもとに、今後のダイナミック戦略の改善に役立つような工夫をドル円、日経225、TOPIXなどのデータを用いて金融工学が議論するモデルとは若干違った角度から解析する。一部ティックデータを用いた解析を行う。

・問題点の把握: BSモデルの見直し

・基本的モデル: BSデルタヘッジ(External Finance)

・ブラックショールズモデルの改良: W.シャープのPIモデル(Internal Finance)取引費用を考慮したモデル、時間依存性を和らげるモデル

・ティックデータを用いた分析: ティックデータのフィルタリング、自己相関分析、ボラティリティ相関、ボラティリティの予測、季節性、非定常性、非安定性

・経済物理学的データ解析: iid確率変数とそれ以外の確率変数の取り扱い

・市場に合わせたオプションモデル: 非定常分布、非安定分布、自己相関等

講師略歴 上智大学理工学部化学科卒、外資系金融機関,アフリカ開発銀行にて国際金融、リスク関連業務に従事した後、オックスフォードファイナンシャルエデュケーション設立、住商キャピタルマネジメント上級顧問、英国ストラッスクライド大学MBA、英国エディンバラビジネススクールMBA、英国ロンドン大学金融経済学修士、訳書「シュワッガーのテクニカル分析」、「外国為替のオプション」(共訳)※録音・ビデオ撮影はご遠慮下さい。