個人投資家が投資をするメリットは何か?

この質問に対する答えが最も難しい。

四回の講義を通して市場で取引をして利益を得るのがそう簡単でないことはわかってもらえたと思う。投資をすることの目的が利益を得ることであるのなら、個人投資家にとってメリットは余りないかもしれない。最近個人投資家によるデイトレードなるものがはやっているがその8割から9割の人は損をしているといわれている。残りの1割の成功しているデイ・トレーダーの多くが以前何らかの形で職業として投資にかかわっていたといわれている。

ただし、目的が利益ではなくて、特定の会社の作る製品に対する応援であったり、経営者の経営方針への応援であったりするのであれば、個人投資家が投資をすることは大いに意味がある。また、株主総会で必ず議決権を行使したり、少しでも経営に参加しようと努力することは悪いことではない。

個人投資家が十分に投資を実感できるほどには金融市場は成熟していないというべきであろうか?投資というよりも保険のほうがそのメリットを十分に実感できるのではないだろうか?生命保険でも、自動車保険でも、火災保険でも人生のうちで必ずといっていいほどそのありがたさが身にしみるときがあるだろう。投資の場合には現状ではそうなるとは限らない。最近、天候デリバティブの需要が増えているが、これは個人投資家向けではないにしても、新しい形の金融商品で、天候に左右されやすい事業を営んでいる人には大変便利な商品である。

現在の金融商品の中には複雑なだけでそのメリットが良くわからないものが多いが、今後いろいろな形の金融商品が増え、個人投資家が投資のメリットを大きく実感できるものが出てくるのではないだろうか?とっぴなアイデアかもしれないが、以下のような金融商品はどうだろうか?

* 将来、子供の大学の授業料を払うことを前提に積み立てる定期預金で、大学に受からなかった場合、公立大学に受かった場合、私立大学に受かった場合、で利回りが異なる定期預金。私立大学に通うようになったときに利回りは最も高くなる。

* 新婚向けの短期の定期預金で、満期までに生まれる子供の数で利回りが変動する預金。

*原油が高騰するとガソリンの割引券が配られる定期預金